村上木彫堆朱が伝統的工芸品指定50周年|2026年9月、記念展を開催

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村上木彫堆朱の伝統的工芸品指定50周年を祝う記念画像

2026年、村上木彫堆朱は国の伝統的工芸品に指定されてから50周年を迎えました。

村上の地で受け継がれてきた技と、その歩みに敬意を込めて。

50周年、おめでとうございます。

この節目を記念した「村上木彫堆朱 伝統的工芸品指定50周年記念展」の会期は、2026年9月19日から23日まで。会場は村上市町屋造観光案内所です。

み喜森は、初日の9月19日に会場を訪れました。

本記事では、村上木彫堆朱の「伝統的工芸品指定50周年」とは何かを振り返るとともに、記念展の概要や会場の様子を紹介します。

目次

村上木彫堆朱、伝統的工芸品指定から50年

村上木彫堆朱は、昭和51年(1976年)2月26日に国の伝統的工芸品に指定されました。

2026年は、それからちょうど50年となる節目の年です。

木地に文様を彫り、その上から漆を塗り重ねて仕上げる村上木彫堆朱。村上の地で長く受け継がれてきた技が、国の伝統的工芸品として指定されてから半世紀を迎えたことになります。

この間、平成21年(2009年)には「村上木彫堆朱」が地域団体商標として登録されています。

「伝統的工芸品」とは

「伝統的工芸品」とは、長い年月にわたり受け継がれてきた技術・技法や原材料などについて一定の要件を満たす工芸品を、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、経済産業大臣が指定するものです。

現在は経済産業大臣が指定しますが、村上木彫堆朱が指定された1976年当時は通商産業省の時代で、通商産業大臣による指定でした。

冒頭の画像に写っている古い証紙にも「通産大臣指定」と記されています。これは当時の実物に記された表記です。

同時期に指定された伝統的工芸品

村上木彫堆朱が指定された昭和51年(1976年)、全国の[漆器]では京漆器(京都府)、香川漆器(香川県)、川連漆器(秋田県)も国の伝統的工芸品に指定されています。

なかでも京漆器と香川漆器は、村上木彫堆朱と同日、昭和51年(1976年)2月26日の指定です。

同じく昭和51年、新潟県内では、[織物]の本塩沢(南魚沼市)と、[木工品・竹工品]の加茂桐箪笥(加茂市)も国の伝統的工芸品に指定されました。

村上木彫堆朱 伝統的工芸品指定50周年記念展

職人の技と村上木彫堆朱50年の歩みが、村上木彫堆朱の作品やパネル、道具類、実演を通して紹介されています。また、初日には来賓を迎えてオープニングセレモニーが執り行われました。

催事名村上木彫堆朱 伝統的工芸品指定50周年記念展 ~受け継がれる技と50年の歩み~
会期2026年9月19日(土)~9月23日(水・祝)
時間9:00~17:00 ※初日は9:30から、最終日は16:00まで
会場村上市町屋造観光案内所(新潟県村上市鍛冶町2-3)
入場無料
主催村上堆朱事業協同組合
共催村上市

オープニングセレモニーから展示作品、職人による実演まで、記念展の様子を短い動画にまとめました。

◎YouTube版

◎Instagram版

YouTube版とは別の音源です。ご覧になる場合はこちらからどうぞ。

9月19日に記念展が開幕

初日の9月19日には、9:30からオープニングセレモニーが執り行われました。

主催する村上堆朱事業協同組合の小杉和也代表理事は、50年前に先人たちが苦労して伝統的工芸品の指定を受けたことに触れ、その誇りを次の世代へつないでいきたいとの思いを述べました。

続いて高橋邦芳村上市長が挨拶。村上木彫堆朱を村上市だけでなく日本の財産と位置づけ、50周年を支えてきた関係者に感謝を述べました。また、次の半世紀、さらに100年へと技と産業を継承し、担い手が「生業」として続けられる環境づくりと、国内外への発信を進めていく考えを示しました。

挨拶の後には、村上商工会議所の髙橋淳一専務理事、高橋邦芳村上市長、村上堆朱事業協同組合の小杉和也代表理事によるテープカットが行われ、50周年記念展が開幕しました。

50年の歩みを伝える村上木彫堆朱の作品

会場には、村上木彫堆朱の歩みを伝えるさまざまな作品が並びました。

同時開催の屏風まつりで飾られた屏風の前には、堆朱や堆黒、朱溜塗、色漆塗、金磨塗などの精緻で華やかな飾り皿や花器が並びます。

入り口近くのスペースには、箸と箸置き、おしぼり置き、猪口などの食卓周りの品から、飾り皿や硯箱といった重厚な品、四季の花をあしらったプレート、アクセサリー類まで、形や用途もさまざまな作品が展示されていました。

彫りの文様や漆の仕上げにも違いがあり、色漆塗、三彩彫など、村上木彫堆朱の多彩な表現を見ることができました。

また、会場には少し変わった展示品もありました。
村上市役所所蔵の「彫漆の電話機」です。年代は不明ですが、受話器の表面に施した漆の層を彫り、鳥の文様を表しています。

長年受け継がれてきた作品と、現在の職人による作品が同じ会場に並び、伝統的工芸品指定から50年の間に受け継がれてきた技と、その広がりを感じられる展示となっていました。

現在へ受け継がれる彫りの技

会場では、若手の彫り師による実演も行われていました。

村上木彫堆朱は、木地に文様を彫り、その上から漆を塗り重ねて仕上げる工芸品です。実演では、「ウラジロ」という両刃の彫刻刀を使って木地に一彫りずつ文様を刻んでいく様子を間近で見ることができました。

会場では、実演に足を止めた来場者が若手の彫り師に声をかけ、作品や彫りについて話を聞く姿も見られました。

また、実演の合間には、若手の彫り師と地域おこし協力隊の方が彫りや作品について言葉を交わす場面もあり、会場には和やかな雰囲気が感じられました。

完成した作品だけでなく、その作品を生み出す手仕事と、普段は作品からだけではうかがい知れない職人さんの等身大の姿を間近で見ることができるのも、今回の記念展の見どころのひとつです。

製造工程と漆を扱う道具の展示

会場では、村上木彫堆朱が完成するまでの製造工程が、パネルや工程見本を使って紹介されていました。木地づくりから彫り、漆塗り、研ぎ、仕上げへと進む流れを見ることで、一つの作品が多くの工程を重ねて作られていることが分かりました。

あわせて、製作に使われる道具も展示されていました。漆を精製する「なやし」や「くろめ」に使う道具のほか、砥石や駿河炭、刷毛や木べらなど、完成品からは見えにくい仕事の裏側を知ることができました。

完成した作品だけでなく、その製作工程や道具まで紹介することで、村上木彫堆朱のものづくりをより具体的に理解できる展示となっていました。

50周年を迎えた村上木彫堆朱を、あらためて

今回の記念展では、長年受け継がれてきた作品だけでなく、若手の彫り師による実演や、製造工程、漆を扱う道具なども紹介されていました。

完成した作品の美しさだけでなく、その背景にある手仕事や、それを受け継ぐ人たちの姿まで見ることができたのが印象的でした。

伝統的工芸品の指定から50年。

これまで積み重ねられてきた技を振り返るとともに、これから先へどう受け継いでいくのかを考える機会となる記念展です。

村上木彫堆朱について、少しでも関心を持っていただくきっかけになれば幸いです。

参考リンク

本記事について

※み喜森は、村上木彫堆朱や村上の文化・観光などを紹介する、独立運営の情報発信サイト・SNSです。村上堆朱事業協同組合や職人・組合員による公式発信ではありません。記念展の開催内容・最新情報については、主催者による公式発表をご確認ください。

※本記事の記念展会場の写真・動画は、2026年9月19日にみ喜森が撮影したものです。撮影およびウェブサイト・SNS等への掲載については主催者の許可を得ています。

※生成AIによる処理を加えた画像は、以下の3点です。
 ・記事冒頭の記念画像(背景・装飾等の制作)
 ・会場内の説明パネル写真のうち、「組合の歴史」「村上木彫堆朱は『伝統的工芸品』」の2点(撮影時の傾きを整えるための遠近補正)

Instagram投稿日:2026-08-28
本記事の初版公開:2026-08-28
記念展の現地取材内容を追加:2026-09-22


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