
2025年10月10日、「華からくさの会」による展示販売イベント、『第8回 漆うる和し』に行ってきました。
「華からくさの会」は、村上木彫堆朱の女性職人のグループで、現在6名の彫師、塗師の方々が参加しておられます。
村上木彫堆朱というと、伝統的な飾り皿や茶托、盆などを思い浮かべる方が多いかもしれません。会場ではそうした漆器に加えて、身につけられる小物や、暮らしの中で使いやすい品も並び、村上木彫堆朱や漆の表現をより身近に感じられる場になっていました。
今回訪れた第8回は、村上市大町の旧渡邉家で開かれたものです。町屋の雰囲気が残る空間で、作品を手に取りながら職人さんの仕事に触れられるのは、展示会場だけではない地域イベントならではの魅力だと感じました。
漆の笛「レスぴー」
会場で特に印象に残ったのが、漆の笛「レスぴー」でした。

一見すると小さなアクセサリーですが、いざという時には笛として音を鳴らし、周囲に助けを求めるために使えます。装身具として身につけられること、防災用品として役に立つこと、そこに漆の質感が加わっていることが、この品の面白いところです。


「レスぴー」は、2024年1月に、村上市と同じく漆器産地として知られる能登半島を襲った地震をきっかけとして、依頼があり生まれた商品です。
木地の構造など、難しい面も多かったとのことですが、今では閉じ込められた時の呼び笛だけでなく、街中の防犯面、山に行く時の熊よけ、お洒落アイテムとしても人気だそうです。
伝統工芸というと、大切にしまっておくものという印象を持たれることがあります。しかし、今回の「レスぴー」のように、身につける、使う、備えるという普段使いに取り入れることで、日常に潤いを与えてくれるものになります。
暮らしに取りいれたい、村上木彫堆朱
普段使いに取り入れやすい品は、もちろん「レスぴー」だけではありません。
会場には、飾り皿、茶托、アクセサリーなど、日常に潤いを与えてくれる品々が数多く並んでいました。


村上木彫堆朱には、代表的な種類として、「堆朱」、「堆黒」、「朱溜塗(しゅだめぬり)」、「色漆塗(いろうるしぬり)」、「金磨塗(きんまぬり)」、「三彩彫(さんさいぼり)」があります。
右の飾り皿は、最もよく知られている「堆朱」の飾り皿で、中央に椿の紋様が丁寧に彫られています。


こちら左は「色漆塗」の茶托です。椿の紋様が彫られ、黒地に朱、黄、緑で彩色されています。村上木彫堆朱は朱色だけでなく、このような色鮮やかな表現をするものもあります。
右は堆朱のペンダントです。千鳥の背景には、半円を連続させた青海波の地紋が細かく彫られています。
青海波などの地紋は、日本で古くから親しまれてきた伝統文様です。これを木地に細かく彫り込み、主となる図柄の背景を埋める装飾は、村上木彫堆朱に特徴的な表現の一つです。
木彫体験で感じる、彫りの手仕事
この日、商品展示販売の奥では、「華からくさの会」の彫師さんによる木彫体験が行われていました。


彫師さんの指導を受けながら、自分で実際に木地を彫ることができ、さらに、彫った作品には塗師さんが漆を塗って仕上げてくれるというものです。
普段手に取って見ていても中々気付かない、村上木彫堆朱の彫刻の角度や深さがなぜそうなっているのか、体験によって初めて感じ取れることもあります。
仕上がった作品は自分だけの良い思い出の品になります。
このような催しの際はもちろん、村上市にある「村上木彫堆朱会館」では普段から木彫体験を受け付けていますので、ご興味のある方は連絡してみてください(要予約)。
→村上木彫堆朱会館の彫刻体験について、自主制作の案内ビジュアル(Instagram)
おわりに
「華からくさの会」による展示販売イベント、『第8回 漆うる和し』、伝統工芸やハンドメイドに関心のある方にはたまらないイベントでした。
作品を購入するだけでなく、職人さんの説明を聞いたり、木彫体験を通じて手仕事の一端に触れたりできる点も、このイベントの魅力です。
また次回の開催を楽しみにしたいと思います。


会場:大町・旧渡邉家(村上市大町3-6、早撰堂さんのとなり)
旧渡邉家は村上市大町に残る町屋建築で、町屋の雰囲気の中で作品を見られる会場です。
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参考リンク
Instagram投稿日:2025-10-10
修正(補筆・改稿):2026-07-27
