
2026年9月4日、新潟県村上市瀬波で行われた瀬波大祭の本祭りを現地で取材しました。
今回は、朝の西奈彌神社から昼の屋台巡行、瀬波街道跨線橋での折り返し、旧道に並ぶ5台の屋台、そして夜の浜町坂の駆け上がりまでを、写真と3本の動画で記録しました。
勇壮な屋台の動きだけでなく、瀬波の神にまつわる井戸や、各町内の屋台に飾られた乗せ物・見送りにも触れながら、2026年の瀬波大祭を一日の流れに沿って紹介します。
瀬波大祭とは|西奈彌神社と延喜式
瀬波大祭は、新潟県村上市瀬波に鎮座する西奈彌神社(せなみ神社)の祭礼です。毎年9月3日が宵祭り、9月4日が本祭りです。この記事では2026年9月4日の本祭りを紹介します。
本祭りでは神輿が瀬波の町を渡御し、瀬波浜町・瀬波中町・瀬波新田町・瀬波上町・学校町の5町内から屋台が曳き出されます。屋台は祭唄や囃子を響かせながら町内を巡ります。
2026年の本祭りでは、朝の神社と神輿渡御から始まり、5町内の屋台巡行、昼の整列を経て、夜の浜町坂の駆け上がりへと祭りが展開していきました。
西奈彌神社は、『延喜式』神名帳に記載される「西奈弥神社」の比定候補の一つです。村上市の「歴史的風致維持向上計画」では、「西奈弥神社」の現在の社名(推定)として、瀬波浜町の西奈彌神社を挙げています。
一方、村上市羽黒町の西奈彌羽黒神社も、『延喜式』の「西奈弥神社」の論社の一つとされています。

東京国立博物館所蔵・機関管理番号 B-2370
出典:ColBase 国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/B-2370-9)の画像に、み喜森が赤枠を追加して作成。
本祭りダイジェスト|朝から夜までの流れ
2026年9月4日の瀬波大祭。本祭りの一日を、約2分のダイジェスト動画にまとめました。
朝の西奈彌神社から、先太鼓と神輿渡御、5町内の屋台巡行、そして夜の浜町坂の駆け上がりまで、一日の流れを映像で紹介します。屋台巡行に響く祭唄や囃子も聴きどころです。
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動画に収録した主な場面と、現地でのおおよその撮影時刻は次のとおりです。
【昼の部】
10:00頃 西奈彌神社
10:25頃 先太鼓と神輿渡御
10:35頃 学校町
10:45頃 瀬波浜町
11:15頃 瀬波上町
11:40頃 昼休み
12:55頃 瀬波中町
13:15頃 瀬波新田町
【夜の部】
19:40頃 駆け上がり前の熱気
21:15頃 浜町坂の駆け上がり
21:55頃 祭りの終わり、帰り屋台
昼の部|屋台巡行と各町屋台の紹介
西奈彌神社から曳き出される屋台と神輿渡御
2026年9月4日の本祭り。10時頃、屋台巡行の列は西奈彌神社前から曳き出され、浜町坂を下り始めました。


屋台巡行の列は瀬波上町の交差点から国道345号に入ります。先に西奈彌神社を出ていた神輿渡御の戻りとすれ違い、屋台巡行の列は瀬波街道跨線橋へと向かいました。


瀬波街道跨線橋に集合する屋台
10時30分頃、羽越本線を越える手前で瀬波街道跨線橋の下をくぐってUターンしました。
ここでは、瀬波街道跨線橋付近に集まった5町内の屋台の様子を映像で紹介します。
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国道345号を通って戻る屋台
瀬波街道跨線橋で折り返し、国道345号を通って戻ってきた屋台巡行の列は、瀬波上町の交差点から県道529号に入りました。


その後、屋台巡行の列は旧道に入り、5台が整列して昼休みに入りました。
5町内の屋台|乗せ物と見送り
2026年の本祭りに参加した5町内の屋台と、乗せ物・見送りをまとめました。

| 町内 | 乗せ物 | 見送り |
|---|---|---|
| 瀬波浜町 | 気比丸(けひまる) | - ※気比丸の船尾が後方に突き出る |
| 瀬波中町 | 恵比寿 | 鯛に波 |
| 瀬波新田町 | 御神酒徳利(おみきどっくり) | 鯛と波 |
| 瀬波上町 | 大黒天 | 唐子 |
| 学校町 | 菅原道真 | 長寿亀 |
瀬波浜町


・乗せ物:気比丸
気比丸は、瀬波の神が浜に上陸した際に乗っていた船をかたどったものとされています。
瀬波中町


・乗せ物:恵比寿
・見送り:鯛に波
瀬波中町の屋台は寛政6年(1794年)、村上の大工町から購入したと伝えられています。
瀬波新田町


・乗せ物:御神酒徳利
・見送り:鯛と波
以前火災に遭い再建された屋台です。火災前の乗せ物は布袋だったそうです。
瀬波上町


・乗せ物:大黒天
・見送り:唐子
屋台の道具を収納する箱書きには、享保の年号が書かれているそうです。
学校町


・乗せ物:菅原道真
・見送り:長寿亀
学校町では昭和62年(1987年)、にわか屋台が新造され、平成8年(1996年)に現在のしゃぎり屋台の形へ改修されました。
瀬波の神にまつわる井戸とお旅所
瀬波横町の川崎家前には、瀬波の神がこの地へやって来たという伝承にまつわる井戸があります。この井戸の周辺は、祭礼の際のお旅所となっています。
現地の案内板には、祭りに備えて川崎家の当主が海岸から白砂を運び、井戸の前に二つの砂盛を作り、祝詞をあげる場所を準備すると記されています。

2026年の瀬波大祭でも、井戸の前には二つの砂盛が作られ、祝詞をあげる場所が整えられていました。当日は、盛砂と神饌を供え、祝詞を奏上する神事が行われました。


お旅所があるのは、昔ながらの細い路地です。
昼過ぎになると、巡行する屋台が一台ずつこのお旅所を訪れ、川崎家の当主に挨拶をしていきました。




夜の部|浜町坂の駆け上がりと祭りの終わり
駆け上がり前の風景
日が暮れると、昼とはまた違った瀬波大祭の風景が始まります。

提灯を灯した5町内の屋台は夜の町を巡行し、やがて本祭りのクライマックスとなる浜町坂の駆け上がりへ向かいます。


西奈彌神社の前から浜町坂を見下ろすと、坂の下の待機位置には、駆け上がりの一番手となる瀬波浜町の屋台が見えます。

瀬波大祭の木遣りは、北前船の船人が北海道の木遣り唄を瀬波の地に伝えたものとされています。盆唄から木遣り唄に変わると、いよいよ浜町坂の駆け上がりです。
浜町坂の駆け上がり
5町内の屋台が、太鼓を打ち鳴らしながら浜町の坂を一気に駆け上がります。
今回は、瀬波浜町・瀬波新田町・瀬波上町・学校町・瀬波中町の5町内すべての駆け上がりを、約2分20秒の動画にまとめました。
提灯を灯した屋台が次々と坂を駆け上がる、瀬波大祭の夜。5町内それぞれの様子をご覧ください。
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祭りの終わり
5町内すべての駆け上がりが終わると、祭りはいよいよ終盤を迎えます。


駆け上がりを終えた屋台は、提灯を灯し、祭唄と囃子を伴って、それぞれの町内へと戻っていきます。にぎわいの余韻を残しながら、2026年の瀬波大祭の本祭りは幕を閉じていきました。


まとめ
2026年9月4日の瀬波大祭。本記事では、朝の西奈彌神社から神輿渡御と5町内の屋台巡行、昼の屋台整列、瀬波の神にまつわるお旅所、そして夜の浜町坂の駆け上がりまで、本祭りの一日をたどりました。
町を巡る屋台の姿や、響き渡る祭唄と囃子、町内ごとに異なる乗せ物や見送り。そして、瀬波の神の伝承につながる井戸とお旅所。祭りの一日を追っていくと、勇壮な駆け上がりだけではない瀬波大祭のさまざまな表情が見えてきました。
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参考リンク
- 瀬波大祭の由来と見どころ|村上市
西奈彌神社の祭礼、神輿1基・屋台5台、『延喜式』との関係などの基本資料。 - 瀬波大祭|村上市観光協会
祭礼の由来、木遣り唄、享保年間の屋台資料、寛政6年(1794年)の大工町から瀬波中町への屋台売却など。 - 瀬波大祭の屋台|村上市観光協会
5町内の屋台、乗せ物・見送り、新田町の火災後の再建、上町の箱書き、学校町の平成8年製作など。 - 瀬波大祭|村上市郷土資料館(おしゃぎり会館)
5町内の屋台の製作年代、乗せ物・見送りなどを紹介。学校町の屋台の変遷など。 - 村上市歴史的風致維持向上計画の認定について|村上市
最新版の「村上市歴史的風致維持向上計画(第2期)」。計画では『延喜式』神名帳の「西奈弥神社」について、現在の社名(推定)として瀬波浜町の西奈彌神社を掲げています。 - 西奈彌羽黒神社|公式サイト
村上市羽黒町の西奈彌羽黒神社の公式サイト。『延喜式』神名帳の「西奈弥神社」の論社の一つであることや、神社の由緒、村上大祭について紹介しています。 - 『延喜式』巻十|ColBase 国立文化財機構所蔵品統合検索システム
記事中に掲載した東京国立博物館所蔵資料(機関管理番号 B-2370)の画像出典。
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本記事の初版公開:2026-09-18
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