【2026年】第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり|イベント体験記


第26回 城下町村上 町屋の屏風まつりのアイキャッチ画像

新潟県村上市で、2026年9月15日(火)から10月15日(木)まで「第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり」が開催されています。

「町屋の屏風まつり」は、城下町の面影が残る旧町人町一帯を歩きながら、町屋や商店などに伝わる屏風や民具、工芸品などを見て巡る秋のイベントです。

2026年は48軒が参加し、それぞれの町屋や店舗で受け継がれてきた品々が公開されています。

この記事では、開催期間や会場、アクセス・駐車場などの基本情報とともに、み喜森が実際に巡った会場を写真付きで紹介します。屏風だけでなく、町屋建築、村上木彫堆朱などの伝統工芸、各店の商いや歴史など、歩いてみて気付いた見どころも取り上げていきます。

村上の城下町をゆっくり歩きたい方や、町屋建築・伝統工芸・歴史に触れる旅を楽しみたい方、瀬波温泉とあわせた秋の村上観光を考えている方にもおすすめのイベントです。

開催期間中も順次会場を巡り、この記事に写真や情報を追加していきます。

目次

「城下町村上 町屋の屏風まつり」は、新潟県村上市の旧町人町一帯を舞台に、町屋や商店などに伝わる屏風や民具、村上木彫堆朱などを公開する秋の恒例イベントです。

村上では、村上大祭などの特別な日に客人をもてなすため屏風を立てる習慣があり、村上大祭はかつて「屏風まつり」とも呼ばれていました。現在では屏風を立てる機会も少なくなりましたが、「町屋の屏風まつり」では、それぞれの家が代々大切にしてきた屏風などを町屋や店舗で見ることができます。

開催概要

2026年は第26回を迎え、9月15日(火)から10月15日(木)まで開催。48軒が参加し、屏風をはじめ、村上木彫堆朱や民具、玩具など、それぞれの家や店に伝わる品々が公開されています。見学は無料です。

屏風を見るだけでなく、普段はなかなか入る機会のない町屋を訪ねながら、城下町村上の町並みや歴史、商い、工芸などに触れられるのも、この催しの魅力の一つです。

項目内容
イベント名第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり
開催期間2026年9月15日(火)~10月15日(木)
時間9:00~17:00 ※参加店によって時間・休日が異なります
会場新潟県村上市・旧町人町一帯
参加48軒
料金見学無料
主催村上町屋商人(あきんど)会

参加会場 全48軒

今回の「第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり」には、全部で48軒が参加しています。

各会場の位置や公式会場番号、駐車場、トイレなどは、主催者の公式マップで確認できます。

→ 第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり 公式マップ・チラシ[PDF]

以下では、公式マップの会場番号順に全48会場を掲載しています。
み喜森が実際に訪れ、本記事で紹介している会場は、会場名(太字)をクリックすると該当箇所へ移動できます。

(01) 町屋のギャラリー やまきち(02) 常盤園(03) 木工・竹製品 ゑびす屋※1(04) 吉川酒舗
(05) 山上染物店(06) 村上市町屋造観光案内所(07) 孫惣刃物鍛冶(08) 堆朱のふじい
(09) 九重園(10) 松本園(11) やまだや(12) 町屋のお休み処 えんや
(13) 御菓子司 酒田屋(14) 料亭 能登新(15) 木戸畳工業(16) 大洋酒造
(17) 冨士美園(18) 小杉漆器店(19) 田村酒店(20) 骨董 やまわき※2
(21) 堆朱工芸舎 池田屋(22) 益甚(23) 千年鮭 きっかわ(24) 茶館きっかわ 嘉門亭
(25) 旧渡邉家(26) 早撰堂(27) たにがわや(28) 旧漆器店 鈴木家
(29) 骨董 閑雅堂※2(30) 割烹 吉源(31) 志ばたや(32) 割烹 新多久
(33) 村上信用金庫 本店(34) うおや塩引館(35) 旅籠門(36) わら竹 本店
(37) 千年鮭きっかわ 井筒屋(38) 第四北越銀行 村上支店(39) 猫町珈琲店※3(40) 晩翠堂
(41) 益田甚兵衛酒店※1(42) 旧嵩岡家(43) 旧岩間家(44) 旧藤井家
(45) 酒道楽 工藤(46) 旧成田家(47) 美術・骨董 加賀支店(48) 宮尾酒造

※1 (03) 木工・竹製品 ゑびす屋、(41) 益田甚兵衛酒店は、前半日程の9月15日(火)~30日(水)の参加です。

※2 (20) 骨董 やまわき、(29) 骨董 閑雅堂は土・日曜日、祝日のみ公開。

※3 (39) 猫町珈琲店は木・金・土曜日(13:00~)のみ公開。

※公開時間・休日は参加店によって異なります。訪問前に最新情報をご確認ください。

町屋巡りのポイント

「町屋の屏風まつり」は、旧町人町一帯に点在する参加店を歩いて巡るイベントです。すべての会場を一度に回る必要はなく、気になる町屋や店舗を選びながら、自分のペースで楽しめます。

村上市観光協会では、短時間で巡る徒歩2~3時間のモデルコースや、歴史ある小路、グルメ、甘味などと組み合わせて半日ほどかけて巡るコースも紹介しています。時間に余裕がない場合はエリアを絞り、村上の町歩きや食事、買い物とあわせて楽しむのもおすすめです。

参加店の中には通常営業をしながら展示している店舗もあり、公開時間や休日は会場によって異なります。特に水曜日は休館・定休の施設や店舗が多いため、訪問前に公式サイトや各店舗の最新情報を確認しておくと安心です。

また、会場へ出入りする際は家の方へのあいさつを心掛け、展示物には触れないようにしましょう。市街地を歩く際は、交通安全のため白線の内側を歩くよう公式にも案内されています。

写真撮影やSNS・ウェブサイトなどへの掲載については、会場や展示物によって対応が異なる場合があります。撮影・掲載を希望する場合は、その場で確認してから行うのがよいでしょう。

※本記事に掲載しているみ喜森の写真は、すべて撮影およびSNS・ウェブサイト等への掲載について許可を得ています。

町屋の屏風まつりへのアクセス・駐車場

「町屋の屏風まつり」の会場は、新潟県村上市の旧町人町一帯に点在しています。ひとつの会場に集まるイベントではないため、車で訪れた場合も、駐車後は町なかを歩きながら複数の会場を巡る形が基本です。

村上市までの広域アクセス

村上市は、新潟市方面からの日帰りのお出かけ先としても訪れやすい場所です。新潟市中心部から村上市中心部までは、日本海東北自動車道を利用して車でおおむね1時間程度。秋のドライブや日帰りの町歩きにも組み込みやすい距離です。

鉄道では、JR羽越本線の「村上駅」が玄関口です。新潟駅からは特急「いなほ」で約45~50分ほどです。

東京方面からは、上越新幹線で新潟駅へ向かい、羽越本線の特急「いなほ」に乗り継ぐルートが基本です。東京駅から村上駅までは約3時間。城下町の町歩きと瀬波温泉を組み合わせた旅行にも向いています。

関西方面からは、新潟空港への空路を利用する方法があります。大阪(伊丹)から新潟空港までは約1時間。新潟空港から新潟駅へ移動し、羽越本線の特急「いなほ」に乗り継いで村上駅へ向かうことができます。神戸空港から新潟空港への便も運航されています。

※所要時間等は2026年9月現在の目安です。運航日・時刻は変更される場合があります。

車でのアクセス・駐車場

日本海東北自動車道「村上瀬波温泉IC」から旧町人町一帯までは、車で約5分です。

町屋の屏風まつりでは、村上市街地の観光駐車場や、土・日・祝日に開放される公共施設などの駐車場を利用できます。

駐車場・施設料金台数住所備考
新潟県村上地域振興局無料約180台田端町6-25土・日・祝のみ利用可
9:00~20:00
イヨボヤ会館駐車場無料約130台塩町13-34観光駐車場
村上商工会議所駐車場無料小町4-10土・日・祝のみ利用可
おしゃぎり会館駐車場無料約30台三之町7-9施設利用者優先
村上市役所駐車場無料三之町1-1土・日・祝のみ利用可
村上体育館駐車場無料三之町13-25施設利用者優先

※利用可能時間や利用条件は変更される場合があります。現地の案内や各施設の最新情報をご確認ください。

JR村上駅から徒歩

最寄り駅はJR羽越本線「村上駅」です。

村上駅から町屋の並ぶ旧町人町の入口にあたる「肴町上」交差点までは、徒歩約6分。そこから大町・小町・安良町・鍛冶町などへ歩きながら、それぞれの参加会場を巡ることができます。

鉄道で村上を訪れ、駅からそのまま城下町散策を楽しむこともできます。

まちなか循環バス「あべっ車」

参加会場を巡る際には、村上市コミュニティバス「あべっ車」も利用できます。

村上市中心部を走る「まちなか循環」は月~土曜日に運行。日曜日・祝日は「町屋号」が運行され、町屋の屏風まつりの会場周辺を移動する際にも利用できます。

運賃はゾーン制で、1ゾーン内は大人100円、小学生・障がい者50円、未就学児は無料です。ゾーンをまたぐ場合は、大人100円、小学生・障がい者50円が加算されます。現金のほか、PayPayでの支払いにも対応しています。

「まちなか循環」と「せなみ巡回」では、1日乗り放題券(大人300円)も利用できます。

歩く距離を抑えたい場合や、離れたエリアの会場を組み合わせて巡りたい場合にも便利です。

※2026年9月27日(日)は「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」に伴う交通規制のため、「町屋号」など一部路線で運休・変更があります。利用予定の場合は最新の運行情報をご確認ください。

 → 外部リンク:村上市コミュニティバス あべっ車|村上市公式

タクシー

JR村上駅周辺からタクシーを利用することもできます。

町屋の屏風まつり公式案内では、村上市内のタクシー会社として「瀬波タクシー」「はまなす観光タクシー」が案内されています。

村上駅から旧町人町までは比較的近いため、荷物が多い場合や、徒歩での移動が難しい場合、瀬波温泉など周辺観光地と組み合わせて移動する場合にも利用できます。

 → 外部リンク:瀬波タクシー

 → 外部リンク:はまなす観光タクシー

実際に訪れた会場

ここからは、み喜森が実際に訪れた会場を、写真とともに紹介します。

屏風の展示だけでなく、それぞれの町屋や店舗の建物、受け継がれてきた品々、商いや工芸にまつわる見どころなど、実際に巡って気になったところもあわせて取り上げます。

開催期間中も順次会場を巡り、この記事に追加していきます。

(04) 吉川酒舗

肴町の「吉川酒舗(きっかわしゅほ)」は、江戸時代後期から商いを続ける商家です。

吉川家では、江戸時代後期の文政5年(1822)に醤油屋、文政10年(1827)に米屋を始め、その後、大正12年(1923)に造り酒屋を創業しました。現在の主屋は文政10年(1827)の建築で、約200年前に建てられた町屋です。

吉川酒舗の主屋・土蔵・醤油蔵・入蔵は、村上市の「歴史的風致形成建造物」に指定されています。

今回の屏風まつりでは、書や絵の屏風がずらりと並んでいました。頭上を見上げると、何本もの太い梁が組まれ、そのさらに上には明かり取りの窓。そこから差し込む自然光が、奥行きのある町屋の中を照らしています。

中でも堂々と広がる書の六曲一双は、頼山陽の子・頼支峰が、村上の名勝「笹川流れ」を詠んだ書とされています。

奥には、さまざまな扇面を貼り交ぜた屏風や染付の大皿も。囲炉裏や自在鉤、障子、古い柱や梁とともに眺めると、昔ながらの町屋の中で見るからこその趣があります。

使い込まれた三和土の土間をはさんだ反対側にはガラスケースが置かれ、村上木彫堆朱の伝統工芸士(塗り部門)、小田和生氏による堆漆のループタイやタイピン、酒杯なども展示されていました。

住 所:村上市肴町1-5
撮影日:2026-09-19
投稿日:2026-09-24 Instagram 町屋の屏風まつり(その9)

(06) 村上市町屋造観光案内所

鍛冶町にある「村上市町屋造観光案内所」は、村上の町屋を活用した観光案内所です。

建物は「旧渡辺家住宅」と呼ばれ、村上市の資料によると、主屋は棟札から昭和7年(1932)の建築とされています。もとは塩町に建っていた町屋で、昭和9年(1934)に現在地へ移築されました。

今回展示されていたのは、鍛冶町・片野家所蔵の「源平合戦屏風」です。

展示解説によると、屏風を収めていた箱の記録から、江戸時代末期の文政年間(1818~1830年)頃のものとされています。大きくうねる青い波や松を背景に、馬上の武者たちなど源平合戦の場面が描かれ、座敷いっぱいに広げられた姿は迫力があります。

また2026年は、村上木彫堆朱が国の伝統的工芸品に指定されて50周年を迎えたことから、9月19日~23日には同じ会場で「村上木彫堆朱 伝統的工芸品指定50周年記念展」も開催。屏風とともに、村上の伝統工芸品が町屋の座敷に並びました。

→ 関連記事:村上木彫堆朱が伝統的工芸品指定50周年|2026年9月、記念展を開催

住 所:村上市鍛冶町2-3
撮影日:2026-09-19
投稿日:2026-09-19 Instagram 町屋の屏風まつり(その4)

(07) 孫惣刃物鍛冶

鍛冶町にある「孫惣刃物鍛冶(まごそう はものかじ)」は、かつて実際に使われていた鍛冶場が残る、町屋の屏風まつりの会場です。

建物に入ると、まず目に入るのが、使い込まれた鎚や金床、機械、刃物づくりの道具が残された仕事場です。

壁には、材料から包丁が完成するまでの工程を10段階の実物で示した「包丁ができるまで」の展示や、昭和23年度(1948年度)の「農機具新品及び修理協定価格表」も残されています。

現在は鍛冶の仕事は行われていませんが、仕事場そのものが、かつてこの場所で行われていた刃物づくりの姿を伝えています。

「鍛冶町」という町名にも、村上の鍛冶職人の歴史が残されています。

その起こりは元和5年(1619)、城主・堀直竒の時代に、鍛冶職人たちがこの一帯へ移されたことにあるとされています。寛永12年(1635)の記録には「新鍛冶町」として17軒が記され、明治以前には和釘、その後は打刃物などが作られてきました。

村上市観光協会によると、鍛冶町にはかつて40軒を超える鍛冶屋が軒を連ねていたとされています。その歴史を現在に伝える建物の一つが、孫惣刃物鍛冶です。

建物は、梁の仕口や和釘の使用状況などから江戸時代後期の建築と推定され、「むらかみ町屋再生プロジェクト」によって保存・再生されました。現在は「孫惣刃物鍛冶店(主屋)」として、村上市の歴史的風致形成建造物に指定されています。

町屋の屏風まつりでは、煤けた柱や梁、鍛冶道具が残る仕事場の奥に、山水図の屏風が飾られていました。

金地を背景に山々や木々、水辺などが描かれた屏風と、鉄を熱し、叩き、刃物を作ってきた鍛冶場。同じ建物の中で、性格の異なる二つの空間を見ることができます。

住 所:村上市鍛冶町2-4
撮影日:2026-09-19
投稿日:2026-09-22 Instagram 町屋の屏風まつり(その7)

(21) 堆朱工芸舎 池田屋

大町にある「堆朱工芸舎 池田屋」は、村上木彫堆朱を中心に扱う工芸品店。軒先に立てられた、漆を採った木が目印です。

今回の町屋の屏風まつりでは、「大正年間」と記された金地の屏風と、昭和初期から昭和10年代にかけての「混ぜ張り」の屏風が展示されていました。

「混ぜ張り」とは、書画や色紙、短冊、扇面などを一つの屏風に貼り合わせたもの。さまざまな大きさや形の作品が一つの画面に並び、それぞれを眺めていく楽しさがあります。

池田屋の店主による説明では、この屏風は祖父の時代から伝わるもので、昭和30年代までは実際の暮らしの中で使われていたそうです。冬の夜には枕元に置いて隙間風を防ぎ、時にはそこに貼られた書画を眺めて楽しむなど、生活に欠かせない道具の一つでもありました。店主はこれを「昔日の思い出にもつながる大切な屏風」と記しています。

美術品として鑑賞するだけではなく、実際の暮らしの中で使われ、人とともに時間を重ねてきた屏風を見ることができるのも、この会場の見どころです。

また、屏風の前や店内には現在の村上木彫堆朱も数多く並びます。屏風、漆器、町屋の店内を一緒に見ながら、村上に受け継がれてきた暮らしと工芸に触れられる会場です。

住 所:村上市大町1-10
撮影日:2026-09-16
投稿日:2026-09-17 Instagram 町屋の屏風まつり(その2)

(23) 千年鮭 きっかわ

大町の「千年鮭 きっかわ」は、寛永3年(1626)創業。2026年は、創業からちょうど400年にあたります。

もとは米問屋として始まり、江戸時代末期には造り酒屋を営み、その後は村上に伝わる鮭料理の製造・販売へと歩みをつないできました。吉川家住宅の主屋・店舗・土蔵は、国の登録有形文化財となっています。

店の奥へ進むと、町屋の茶の間に大きな金地の屏風が広がります。会場では「上賀茂神社『くらべうま』ご神事絵図」と紹介されていました。町屋の落ち着いた空間の中でもひときわ華やかな存在感があります。

その手前には、初代小野為郎の三彩彫の重箱をはじめ、蒔絵や螺鈿などを施した漆器、大町のおしゃぎりの模型なども展示されていました。屏風だけでなく、村上で受け継がれてきた工芸や祭礼文化にも目が向きます。

そして、この会場で屏風と同じくらい目を引くのが、頭上の梁から吊るされた鮭です。

鮭、屏風、漆器、おしゃぎり、そして約400年続く商家の町屋。千年鮭 きっかわでは、村上の歴史や工芸、祭礼、食文化が幾層にも重なった風景を見ることができました。

住 所:村上市大町1-20
撮影日:2026-09-16
投稿日:2026-09-25 Instagram 町屋の屏風まつり(その10)

(26) 早撰堂

大町の「早撰堂(そうせんどう)」は、江戸時代から続く和菓子店。通りに面した「御菓子司」の看板が目印です。

店内を奥へ進むと、囲炉裏や箱階段、箪笥、神棚などが残る畳敷きの町屋空間が広がります。

現在の主屋は明治26年(1893)築で、国の登録有形文化財。平成16年(2004)には「町屋再生プロジェクト」によって外観が再生されています。

今回の町屋の屏風まつりでは、この座敷に力強い書の屏風が並べられていました。

大きな文字を一面に配した屏風は、それだけでも存在感がありますが、早撰堂では囲炉裏や箱階段、木製の建具など、昔ながらの町屋のしつらえと一緒に見ることができます。屏風だけを展示室で鑑賞するのとは異なり、町屋の暮らしの空間の中に屏風が置かれた姿を見ることができるのが、この会場の大きな見どころです。

店先には現在も菓子が並び、昔ながらの商いの空間が続いています。屏風、町屋建築、和菓子店としての店構えを一度に見ることができ、「町屋の屏風まつり」らしさを感じる会場の一つです。

住 所:村上市大町3-5
撮影日:2026-09-16
投稿日:2026-09-16 Instagram 町屋の屏風まつり(その1)

(34) うおや塩引館

大町の「うおや塩引館」は、創業200年余の「越後村上うおや」の別館です。

町屋が並ぶ大町の通りで目を引くのが、白い板張りの洋館風の建物。現在の建物は、かつてこの場所にあった旧早川書店の古写真をもとに明治期の姿を再現したもので、2020年にオープンしました。隣には、村上伝統の塩引鮭をつくる「鮭こうば」もあります。

今回の町屋の屏風まつりでは、うおやに伝わる複数の屏風が公開されていました。

まず目を引くのが、義経と弁慶の「勧進帳」を描いた時代屏風です。山伏に身をやつして奥州へ向かう源義経一行が、安宅の関で正体を疑われる場面。屏風の中央には、巻物を勧進帳と見せかけて読み上げる弁慶、その向こうには関守の富樫、傍らには義経一行の姿が描かれています。

天保年間の大岡雲峰作とされる鳥の屏風も展示。枝にとまる鳥や花木が細やかに描かれ、長い年月を経た屏風ならではの落ち着いた色合いを見ることができます。

さらに、文久元年(1861)の作とされる「活花模様屏風一双」です。十二か月それぞれの季節の活花を題材とした屏風で、花籠や鉢植え、鳥などが、余白を大きく生かしながら端正に描かれています。ひとつひとつの図柄を追っていくと、当時の花や室内装飾の楽しみ方もうかがえます。

住 所:村上市大町2-25
撮影日:2026-09-16
投稿日:2026-09-18 Instagram 町屋の屏風まつり(その3)

(41) 益田甚兵衛酒店

塩町の「益田甚兵衛酒店」は、宝暦10年(1760年)創業の老舗酒店です。

もとは菜種油や塩、味噌、醤油などを商い、「油屋甚兵衛」と呼ばれていたそうです。現在は、〆張鶴や大洋盛をはじめ、村上・新潟の地酒を扱う酒店として、その歴史を受け継いでいます。

店舗や座敷、土蔵、酒蔵などが、村上市の「歴史的風致形成建造物」に指定されています。

今回の町屋の屏風まつりでは、書や草花を描いた屏風とともに、村上堆朱、屈輪(ぐり)彫りの高卓、昔のラジオなど、益田家に代々伝わってきたさまざまな品々が展示されていました。

中でも目を引くのが、左側に展示された、展示札に「篠崎小竹」と記された書の屏風と、右側の、文政5年(1822)と記された「草花画」の屏風です。

また、昭和8年(1933)と記された村上堆朱の台付き重箱も展示されていました。山水の景色が細かく彫り込まれた作品で、彫りを手がけたとされる益田甚一郎は、村上の彫師・鈴木秋湖の同門とされています。その反対側には、山水文様などを彫り表した堆黒の飾り棚も置かれていました。

※益田甚兵衛酒店の2026年の屏風まつり参加は前半日程のみで、9月30日(水)までです。

住 所:村上市塩町7-11
撮影日:2026-09-16
投稿日:2026-09-23 Instagram 町屋の屏風まつり(その8)

よくある質問

町屋の屏風まつりはいつまで開催されていますか?

2026年の「第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり」は、9月15日(火)から10月15日(木)まで開催されています。公開時間は原則9:00~17:00ですが、参加店によって時間や休日が異なります。

見学は無料ですか?

はい。町屋の屏風まつりは見学無料です。2026年は旧町人町一帯の48会場が参加しています。

全48会場をすべて回る必要がありますか?

いいえ。気になる会場を選んで自由に巡ることができます。

公式にも、短時間で巡るコースや、町歩き・食事などと組み合わせて半日ほど楽しむモデルコースが紹介されています。

町屋の屏風まつりを巡るには、どのくらい時間がかかりますか?

巡る会場数によって大きく異なります。

村上市観光協会では、徒歩で巡る「さらりと巡る」モデルコースの所要時間を2~3時間、歴史ある小路や食事・甘味なども楽しむコースを半日~としています。

車で行く場合、駐車場はありますか?

はい。村上市街地の観光駐車場や、土・日・祝日に利用できる公共施設などの駐車場があります。

会場は旧町人町一帯に点在しているため、車を駐車した後は徒歩で町屋を巡るのが基本です。詳しい駐車場情報は、この記事の「町屋の屏風まつりへのアクセス・駐車場」で紹介しています。

JR村上駅から歩いて行けますか?また、バスは使えますか?

はい。最寄り駅はJR羽越本線「村上駅」です。 村上駅から旧町人町の入口にあたる「肴町上」交差点までは徒歩約6分で、そこから各会場を歩いて巡ることができます。 また、村上市コミュニティバス「あべっ車」を利用することもできます。村上市中心部では「まちなか循環」や、日曜・祝日に運行される「町屋号」などがあります。 町屋の屏風まつりは徒歩で会場を巡るのが基本ですが、歩く距離を抑えたい場合や、離れたエリアへ移動する際にはバスも利用できます。 運行日や時刻は変更される場合があるため、利用前に村上市公式サイトで最新情報をご確認ください。

お祭りの神輿や縁日の屋台、露店などは出ていますか?

町屋の屏風まつりの催しとしては、神輿渡御や縁日の屋台・露店はありません。

「町屋の屏風まつり」という名称ですが、神輿が町を巡ったり、縁日の屋台や露店が並んだりする一般的な祭礼とは異なります。

旧町人町一帯の町屋や商店を歩いて巡り、それぞれの会場に飾られた屏風や民具などを見学する町歩き型のイベントです。2026年の公式プログラムにも、神輿渡御や縁日の屋台・露店などは予定されていません。

なお、町屋の屏風まつりの由来とも関係する「村上大祭」は毎年7月に行われる別の祭礼です。

→関連記事:【村上大祭2026】ユネスコ登録祝賀イベント・宵祭り・本祭り

屏風や町屋の写真を撮影してもよいですか?

写真撮影やSNS・ウェブサイトなどへの掲載については、会場や展示物によって対応が異なる場合があります。撮影・掲載を希望する場合は、その場で確認してから行うのがよいでしょう。

※本記事に掲載しているみ喜森の写真は、すべて撮影およびSNS・ウェブサイト等への掲載について許可を得ています。

雨の日でも町屋の屏風まつりを楽しめますか?

屏風などの展示は町屋や店舗の屋内で見ることができますが、会場間の移動は屋外です。

雨の日は傘や雨具を用意し、移動時間に余裕を持って巡るとよいでしょう。

町屋巡りとあわせて食事や買い物も楽しめますか?

はい。参加会場が点在する村上市街地には、飲食店や菓子店、鮭製品、地酒、村上木彫堆朱などを扱う店舗もあります。

公式のモデルコースでも、町屋巡りと食事・甘味・買い物を組み合わせた楽しみ方が紹介されています。

町屋巡りの食事に「Go To Eatにいがた」は使えますか?

「おいしさめぐるGo To Eatにいがたキャンペーン」は、新潟県内在住者を対象としたキャンペーンです。対象飲食店では、購入したデジタル食事券を利用できます。新潟県外の方は対象外です。

町屋の屏風まつり期間中も利用期間に含まれていますが、利用できる店舗はキャンペーン参加店に限られます。

第1弾の食事券は2026年11月30日まで利用可能です。また、第2弾は2026年10月1日から2027年1月31日まで販売・利用されるため、町屋の屏風まつりの開催期間とも重なります。

村上市内の参加店や利用方法については、こちらの記事で紹介しています。

→ 関連記事:【2026年】おいしさめぐるGo To Eatにいがたキャンペーン|村上市の参加店一覧

まとめ

2026年の「第26回 城下町村上 町屋の屏風まつり」は、9月15日(火)から10月15日(木)まで、村上市の旧町人町一帯で開催されています。

全48会場を巡る必要はなく、気になる町屋や店舗を選びながら、自分のペースで楽しめるのもこの催しの魅力です。屏風をきっかけに町屋の中へ入り、建物や商い、工芸、地域に受け継がれてきた品々に触れながら歩くことで、普段の観光とは少し違った城下町村上の姿を見ることができます。

秋の村上で町歩きや城下町散策を楽しむ際の参考になれば幸いです。

本記事について

※み喜森は、村上木彫堆朱や村上の文化・観光などを紹介する、独立運営の情報発信サイト・SNSです。「城下町村上 町屋の屏風まつり」の主催者や参加店・施設による公式発信ではありません。

※本記事は、み喜森が実際に会場を訪れて確認した内容や、主催者・関係機関が公表している情報をもとに作成しています。開催内容、公開時間、休業日、交通情報などは変更される場合があります。最新情報は主催者や各施設の公式発表をご確認ください。

※本記事に掲載している会場・展示物等の写真は、すべて撮影およびウェブサイト・SNS等への掲載について許可を得ています。

※開催期間中も会場を順次訪問し、写真や展示内容などを本記事に追加・更新する予定です。

本記事の初版公開:2026-09-25

この記事が参考になった方へ

この記事を書いた、み喜森(Mikimori)店主です。
新潟県村上市の伝統的工芸品「村上木彫堆朱」をはじめ、天然漆・天然木の工芸品をセレクトしてご紹介しています。
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